『木漏れ日に泳ぐ魚 -恩田陸-』夜中に書いた手紙を翌朝見たら赤面で足をバタつかせる感覚とミステリーの融合
感想は、びんみょ〜 であった。
概要
登場人物は男女2人のみ。
これから別々に生きていく事になった2人の最後の一夜の物語である。
“とある人物の死”を巡り2人はその時の事を語り合うが、徐々に記憶の齟齬を感じていく。
お互いが共通の思い出を話しているはずなのに記憶にズレがある。
語られる中で徐々に明らかになる真実。
あの男を殺したのは彼なのか彼女なのか。
なぜ2人の記憶にすれ違いが起きていたのか。
一つの事件をキッカケに記憶のズレの正体が明らかとなる。
とまぁこのような内容である。
2人の登場人物がいけすかない。
2人とも今のその境遇に単に酔ってるだけに見えてしまう。
なんとなくやりとりが小っ恥ずかしい。
サラミをナイフで切って食べる場面があるが、そもそも買い出しの時に、今夜話し合う部屋は引越し寸前で、何もないガランとした部屋なのは分かっているのだから一口サイズのジャッキーカルパスにすれば良いのに…。
とか、そんな些末な事が気になってしまう時点であまり入り込めなかった気がする。
読み易さは満点なので何も考えず読めたが、特に記憶に残る事もなかった。
一つだけ。
登場人物が買物をして、インスタものばかり買った時に、命のないものは軽いと思う場面がある。
つまり野菜などはズッシリと重みがある、と。
その場面が妙に印象に残っている。
特に本題とは関係はないが唯一印象に残ったシーンである。